佐伯市民大学(後期)特別講座 <希望のキャラバン>

去る6月12日(水)にさいき城山桜ホール小ホールにて、佐伯市民大学(後期)特別講座を実施しました。昨年12月の市民大学講座の講師をされた文化人類学者の辻信一先生率いるオーストラリア在住のアンニャ(母)、パチャ(娘)、ヤニ(息子)・ライト一家による希望のキャラバンチームを佐伯にお招きし、前半は佐伯市の有機農業の取組の2つの発表、後半は希望のキャラバンチームによる歌と映像と語りの集会を実施しました。

 

目次

佐伯市の有機農業の取組みについて

まず、佐伯市役所農政課に勤める現役の地域おこし協力隊員の輿石俊樹さんによるオーガニックシティ佐伯の有機農業の取組みについて、有機野菜のための市民農園、たい肥作り、オーガニックマルシェ、学校給食用の有機米や有機野菜づくりの推進など、多岐にわたる市の活動を紹介していただきました。次に元地域おこし協力隊員の毛利恵美さんが、別府から佐伯へ移住して有機レンコン栽培に挑戦し、大きな古民家を借りて愛する猫たちとの半農半猫ライフを満喫しているお話で、会場をほっこりした雰囲気で満たしていただきました。

 

エクアドルの雲霧林の映像や心温まる演奏とメッセージに共鳴

そして、いよいよ希望のキャラバンチームの登場となりました!辻先生と環境活動家のアンニャ・ライトさんが中心に立ち上げた「ナマケモノ倶楽部」の25周年を祝って、ライト一家と日本中を回るキャラバンを通して希望の種をまく、という目的のもとに、佐伯にもやってきました。大きなスクリーンに映し出されるエクアドルの神秘的な雲霧林、アニャ一家がかつて住んでいた森の中の一軒家、豊かな水をたたえた瀧、多様性に満ちた植物を見ながら、日本語と英語の混じった歌を歌い、「自然にも権利がある」「人は自然から資源を絶え間なく奪い続けるが、一粒の種が何百倍、何千倍もの種をもたらすように、自然は惜しみなく与えてくれる」といったメッセージをいただき、最後は大火事の森の火を消すために、何度も何度もくちばしで一滴の水を落とし続けるハチドリのクリキンディの物語を通して「私は私のできることをするだけ」という言葉を頂きました。そして、会場で「とべ、クリキンディ」を皆で合唱しました。

 

 

ヤニ、パチャ、アンニャ、辻先生からのひとこと

終わりに、各メンバーからの一言です。ヤニ:持続可能性やオーガニックという言葉にのせられてやり過ぎるのではなく、引き算することが大事。シンプルな生き方こそが大事。パチャ:今、既成のものが壊れていくけれど、それは新しいものに場所を譲っていく過程。それがregenerative、再生。アニャ:再生できるものが命。そして日々の再生は食べ物のおかげ。それぞれの地域で培われた食べ物を大切に。辻先生:長生きっていいな。世界は奇跡に満ちている。毎日が驚きの連続だ。生きることは新鮮。好奇心を持って美しい世界を発見していこう。美しいこの地球を守り、次の世代にも美しい地球を残していこう。

 

交流会で頂いた大事なメッセージ

第二部は円陣になって、参加者らがライト一家や辻先生と質疑応答の時間を持ち、「自分の感情としっかり向き合い、逃げない。不安や恐怖をあおるのは人間のシステムが問題。人を生かす空気、水、食料を与えてくれるのは大地であるという原点に立ち返ることが大切」といったメッセージを頂きました。

今回は、3年目になる市民大学講座で初めて音楽を通し、国の違いを超えて共に歌い、共に自然への思いを分かち合う、感動に満ちた素晴らしい時間を共有できたことに感謝です。

 

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